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悪性胃・十二指腸閉塞に対する内視鏡的十二指腸ステント留置術~新規十二指腸ステント:スプライダーの使用経験
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九州大学大学院医学研究院 病態制御内科学 准教授
藤森 尚 先生
01はじめに
悪性胃十二指腸閉塞(malignant gastric outlet obstruction:MGOO)は、膵癌、胆道癌、胃癌、十二指腸癌などの進行癌において、比較的高頻度に合併する病態である。MGOOは食物通過障害により摂食不能、嘔吐、体重減少などを呈し、QOLが大きく低下することから、早期の対応が必要となる。近年は内視鏡的胃・十二指腸ステント(duodenal stent:DS)留置が、低侵襲かつ迅速な症状改善を可能とする治療選択肢として普及している。近年開発された新規DSであるスプライダーが、MGOOに対する新たな治療選択肢として期待されている。本稿では、MGOOに対する内視鏡治療戦略やその中でのスプライダーの位置づけ、実際の留置法を含めて解説する。
02悪性胃・十二指腸閉塞に対する治療戦略
MGOOと診断した場合、内視鏡的もしくは外科的に消化管閉塞を解除する必要がある。DSは低侵襲かつ経口摂取開始までの期間が短いことは間違いないが、経過中の再閉塞や、ステントトラブルに遭遇することも少なくない。長期予後が望める場合など、患者状況に応じて外科的(腹腔鏡)胃・空腸吻合術も念頭に置くことは重要である。一方で、MGOOの原因となる疾患や病態、特に膵癌や胆道癌の予後は不良であり、実臨床の多くの場面でMGOOに対してDS留置の適応となる。DS(特にuncovered type)は抜去や交換が基本的に困難であるため、DS留置後の治療経過・方針を含めて事前に十分検討することが重要である。実際のDS留置においては、閉塞部位を意識することも重要である。Type I:幽門から十二指腸球部まで(乳頭より口側)、Type II:乳頭部を含む十二指腸第2部、Type III:乳頭より肛門側(十二指腸第2部遠位以降)、に大きく分類されることが一般的である。Type IIはもちろんのこと、Type IやIIIであっても、胆管閉塞を同時あるいは異時性に呈することがあり、DS留置を要する症例では胆道ドレナージについても常に配慮する必要がある。最近ではDS留置を要する症例の胆道ドレナージにおいては、EUS-BD(主にEUS-HGS)が選択されることも多い。
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