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手術機器の効率的な運用を目指して エナジープラットフォームによる手術機器運用への貢献

Interview

エナジープラットフォームの導入による 経営及び手術機器運用における貢献

    • 神奈川県立がんセンター 副院長兼呼吸器外科部長
      伊藤 宏之 先生

    • 神奈川県立がんセンター 臨床工学技士
      千野 彩佳 様

昨今、手術機器の進歩と共に、エネルギーデバイスやジェネレータ、電気メス等、多種多様な製品が登場しており、院内の先生方からの 購入要望も多いかと存じます。手術機器の導入や更新に際し、どのようなプロセスや製品の機能面を重要視されておりますでしょうか。

  • 伊藤先生:手術室だけでなく、事務方(財務経営課)、看護部、臨床工学部も含めた関係部署を交えた会議で、機器の導入や更新を、透明性を持って検討し記録することが重要です。以前はこうした会議体がなかったため、手術機器の新規導入における必要性や経営貢献度、古い機器の更新計画も不透明でした。

    そこで、手術機器の新規導入や更新、修理も含めた維持計画を検討するための委員会を立ち上げました。修理もただ行うだけでなく、購入や更新も見据えて計画的に行うことで、より適正に手術機器を購入、維持ができるようになりました。これにより、質の高い医療提供や手術安全性の向上、病院経営に即した機器購入が実現できています。

    機能面では、多様性のある手術機器は臨床でも経営面でも有用です。例えば、新しいエネルギーデバイス(超音波凝固切開装置や高周波シーリングデバイスなど)を使用する場合、専用のジェネレータを用意する必要があります。しかし、エネルギーデバイスの出力にのみ対応する機種では、使用用途や機会が限定され、費用対効果が低くなります(図1)。

    一方、エナジープラットフォームであれば、診療科の用途に合わせてさまざまなサージカルデバイスを接続でき、電気メスのジェネレータとしても使用可能です。このような汎用性の高いジェネレータを使用すれば、別途複数のジェネレータを購入する必要はなく、使用機会も多いため、臨床や経営面でも価値の高い製品といえます(図2)。

     

エナジープラットフォームは臨床工学技士の立場から手術機器の 準備や、安全な取り扱いにおいて、どのように貢献していますか。

  • 千野様:私たちの日常業務では、手術前に執刀医や術式に合わせて手術機器の設定を行っています。エネルギーデバイスや電気メス等のジェネレータでは、誤った出力設定にならないよう十分に注意していますが、準備する機器の台数が増えると作業が煩雑になり、その分誤設定のリスクも高くなります。

    しかし、エナジープラットフォームであれば、エネルギーデバイスや電気メスの出力等の必要な機能が一式に集約されているため、手術機器の準備台数を削減でき、機器の準備や設定作業が効率化されます。

    これにより、誤設定のリスクが低減し、安全かつ効率的な手術機器の運用に貢献しています。また、エナジープラットフォームのような汎用性の高い製品で、エネルギーデバイスや電気メス等の出力ジェネレータを統一することが可能であれば、手術中に外回りの看護師が操作する場合でも、機器操作の方法や説明が一貫できるので、より安全な手術の実施が期待できます(図3)。

 

本記事における用語説明
エナジープラットフォーム:超音波凝固切開装置や高周波シーリングデバイス等のエネルギーデバイスや鉗子、経尿道的処置具が接続でき、電気メスとしても使用できるジェネレータの総称。
サージカルデバイス:超音波凝固切開装置や高周波シーリングデバイス等のエネルギーデバイスや鉗子、経尿道的処置具の総称。

 

手技解説

胸腔鏡下左肺S1+2c+3a+4a区域切除

  • 神奈川県立がんセンター
    呼吸器外科 医長
    永島 琢也 先生

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