医療従事者コンテンツ
BPH手術におけるTFLの臨床的有用性 ―適切な設定と手技選択を考える
-
-
聖路加国際病院 泌尿器科 部長
遠藤 文康 先生SOLTIVE スーパーパルスレーザシステムを用いた前立腺核出術についてのケースレポートです。
#学会・イベント
SOLTIVEを用いた前立腺核出術の症例動画はこちらからご覧いただけます。
TFLの特徴
ツリウムファイバーレーザー(Thulium Fiber Laser:以下TFL)はツリウムを添加したファイバーを内部構造に持ち、半導体技術を用いた小型レーザーで、エネルギー効率や省電力性に優れ、100V電源で使用できる点が特徴とされている。TFLの波長(1940nm)はホルミウムYAGレーザー(Ho:YAG laser:以下Ho:YAG)の波長(約2000nm)に近いものの、水に対する吸収率はHo:YAGの約4倍高いとされている(図1)。水に対する吸収率が高いため、前立腺に対して照射する場合、レーザー光は極めて浅い層で熱エネルギーに変換され、高い凝固・止血作用となると思われる。
また、TFLとHo:YAGでは、レーザー照射によって形成されるバブルの形状にも違いがみられる。Ho:YAGはピークパワーが高く瞬間的に大きなバブルを1つ形成した後、急速に減衰していくのが特徴だが、TFLはHo:YAGと比較するとピークパワーが低く、持続時間の長いパルス波形が特徴で楕円形の細長いバブルを形成する。Ho:YAGは、横方向へ広がる大きなバブルを生成しやすく、収縮時に比較的強い衝撃波が発生するが、TFLは小さなバブルが連続して形成され、衝撃波は比較的弱い一方で、バブル内をレーザーが通過しながら縦方向へレーザー光が伝わる点が特徴とされる。
-
Ho:YAG
-
TFL
-
これらの特徴から、生体反応を見ても違いが見られる。Ho:YAGでは横方向の組織破壊が比較的広く見られるのに対し、TFLでは縦方向に均一で、凝固も深くないきれいな円形な切開が形成される。
-
図1/ Water absorption spectrum(水の吸収スペクトル)
TFLを用いたBPH手術の推奨度
TFLを用いた前立腺核出術は、一般にThuFLEP(Thulium Fiber Laser Enucleation of the Prostate)と呼ばれている。内視鏡下前立腺核出術は、エネルギー源にかかわらずAEEP(Anatomical Endoscopic Enucleation of the Prostate)と総称され、いずれも腺腫を核出するという基本概念は共通しているため、臨床成績は概ね類似する傾向が示されている。
レーザーを用いた前立腺核出術について各国のガイドラインでは、エビデンス蓄積状況が異なるため、位置づけには差が見られる。
EAUガイドラインでは、HoLEPはTURPやopen prostatectomyと比較しても、強い推奨(Strong)だが、ThuLEPやThuFLEPなどのツリウム系レーザーについては、臨床研究がまだ十分に蓄積されていないことから、現時点では明確な強い推奨には至っていない。
ただし、ツリウム系レーザーに関する報告は近年増えつつあり、今後の臨床データの蓄積によって評価が見直される可能性も考えられる。
会員限定コンテンツ
続きは会員限定コンテンツのため、ログインまたは会員登録が必要です。
ピックアップ製品
ピックアップ製品はこちらから閲覧できます。
ピックアップ製品はこちら
関連する
動画・レポート・論文
遷移先ページは製品情報を含みます