医療従事者コンテンツ
150μmファイバーが創り出す尿管鏡手術の未来
-
-
IMSグループ 医療法人財団 明理会 行徳総合病院
泌尿器科部長 / 尿路結石・前立腺肥大症治療センター センター長
岡田 真介 先生SOLTIVE スーパーパルスレーザシステム 150μmファイバーの臨床経験に基づくケースレポートです。
#VISERA ELITE III #学会・イベント
はじめに
ツリウムファイバーレーザー(Thulium Fiber Laser:以下TFL)は、ホルミウムヤグレーザー(Ho:YAG laser:以下Ho:YAG)に比べて高周波数出力が可能で、細径ファイバーを使用できる利点を持ち、新世代レーザーとして注目されてきました。TFL製品について、結石の微細化に優れたダスティング性能や結石の後方移動(レトロパルジョン)の低減などが利点である一方、高周波数照射による熱蓄積や熱損傷リスク、結石に亀裂が生じにくく結石のリポジショニングが難しく、「TFLの適応は腎結石のダスティングに限定される」という見解も存在します。こうした状況の中で尿路結石や上部尿路上皮悪性腫瘍の治療においてTFLを安全かつ効果的に使用するためには、生食灌流量の増加と尿管鏡操作におけるアクセス性の改善が重要であると考え、私はオリンパス社製「SOLTIVE SuperPulsed Laser System」の性能と、ラインアップされている150μmファイバーに注目しました。本稿では、TFLの特徴と150μmファイバーのメリットを踏まえ、150μmファイバーがもたらす変化や可能性について解説します。
TFLの特徴
TFLはツリウムヤグレーザーとは異なる構造・特性を持ち、Ho:YAGに比べピークパワーが低く、持続時間の長いパルス波形が特徴です。
同じ設定(0.8J/short pulse)でのTFLとHo:YAGの照射を示します。
・バブル形状(図1、図2)
Ho:YAGは大きなバブルを1つ形成しますが、TFLはshort pulse設定でもパルス幅が長いため、その後のバブルが初発バブルの中を通過し、連続したバブル(bubble train)を形成します。
-
図1/Ho:YAG バブル形状
-
図2/TFL バブル形状
・アブレーションとレトロパルジョン(図3、図4)
Ho:YAGはフォトメカニカルアブレーション効果により大きな破片を生じますが、TFLはフォトサーマルアブレーションが主体で、微細なダストを連続して形成します。レトロパルジョンも少なく、より安定したダスティングへの貢献が期待できます。
-
図3/Ho:YAG 結石破砕片
-
図4/TFL 結石破砕片
-
・水吸収率
効率的なフォトサーマルアブレーションをもたらす重要な要因の一つは、TFLの高い水吸収率です。TFLの発振波長は1940nmで、Ho:YAGに比べ約4倍の水吸収率を示します(図5)。
このような特徴から優れたダスティング性能が期待されますが、20W出力でTFLとHo:YAGを比較した研究1)では、150μmファイバー、200μmファイバーのいずれでも高エネルギー(J)×低周波数(Hz)設定での照射が最も高いアブレーション効率を示しました。
-
図5/ Water absorption spectrum(水の吸収スペクトル)
-
550μmファイバーを用いたTFLによる膀胱砕石術を示します。TFLは結石の微粉化に優れますが、26Frの内視鏡を用いるなど太いトラクトが確保されている場合では大きな破砕片を作成し抽石する手技が効率的であり、TFLのダスティングは時間を要する可能性があると考えられます(図6)。
-
図6/膀胱結石(550μm、2.0(J)x9Hz)
-
一方、細径シースを用いる尿管鏡手術では状況が異なります。TFLは非常に微細なダストを形成するため、吸引付き尿管アクセスシースとの併用で効率的にダストを回収でき有用性が高いと考えられます(図7)。
-
図7/腎結石(150μm、0.8(J)x7Hz)
会員限定コンテンツ
続きは会員限定コンテンツのため、ログインまたは会員登録が必要です。
ピックアップ製品
ピックアップ製品はこちらから閲覧できます。
ピックアップ製品はこちら
遷移先ページは製品情報を含みます