ESG-410を用いた経尿道的前立腺核出術(TUEB)と蒸散術(TURisV)

  • 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 泌尿器科学 准教授 大庭 康司郎 先生
  • 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 泌尿器科学 准教授
    大庭 康司郎 先生

    略歴
    ・1998年 長崎大学泌尿器科入局
    ・2000年 佐世保共済病院
    ・2001年 長崎大学大学院 博士課程入学
    ・2005年 長崎大学大学院卒業、医学博士取得
    ・2005年 対馬いづはら病院
    ・2006年 国立病院機構嬉野医療センター
    ・2009年 五島中央病院
    ・2010年 長崎大学泌尿器科 助教
    ・2015年 長崎大学泌尿器科 講師
    ・2021年 長崎大学泌尿器科 病院准教授
    ・2023年 長崎大学泌尿器科 准教授
     

    高周波電源焼灼装置ESG-410ならびにTUEB電極・オーバル電極を用いたBPHに対する核出術・蒸散術についてのケースレポートです。

    #VISERA ELITE III #学会・イベント

はじめに

前立腺肥大症は、高齢化や薬物治療の発展などにより大きな前立腺に対する対応や、高リスク患者への対応などさまざまなニーズが存在し、経尿道的な治療もMISTの出現などニーズに合わせて多様化している状況と言える。大きな前立腺に対しては核出術が適している一方で、HoLEPなどの術式にはレーザ装置の導入など高額な投資が必要である。また、核出術だけでは対応しにくい高リスクな患者も存在し、蒸散術やMISTなど多様な治療選択を病院として持つことは幅広い患者への対応を可能にする。オリンパス社のTURisシステム、電気メスとレゼクトスコープに核出用のTUEB電極やオーバル型電極を接続するだけで、核出や蒸散の治療選択が可能になる点は、患者メリットのみならず施設にとっても経済的にメリットが高い。ESG-410は高い放電性能による組織非接触でのスムーズかつ安定した放電が特徴であり、従来製品のESG-400と比較しさらに安全かつ効率的な手技の実施が可能と考える。
私が実施しているTUEB手技ならびにオーバル型電極を用いた蒸散術TURisVについて、その特徴と手技手順を解説する。

01TUEB™の特徴と手技解説

前立腺肥大症ガイドラインとTUEBの位置づけ

前立腺肥大症に対する外科的治療には経尿道的な切除術、核出術、蒸散術を主体としてさまざまな術式が存在する。経尿道的な切除術であるMonopolarTURPを標準術式としながらも、BipolarTURPやHoLEP、PVPなどの術式が存在する。術式選択は、患者特性や、設備、術者の習熟度などを考慮して行う必要がある、とされている。
主に前立腺体積によって術式の推奨グレードは分かれており、80mlを超える大きな前立腺に対しては核出術が推奨される。また、抗凝固薬服用患者に対しても核出術と蒸散術は休薬不要とされている。
また、診療報酬については、電解質溶液利用の切除術(蒸散術TURis™Vを含む)は20,400点の設定だが経尿道的前立腺核出術のTUEBは21,500点と最も高い診療報酬点数が設定されている。

TUEBとは? TransUrethral Enucleation with Bipolar

前立腺肥大症に対する核出術であり、TURisシステムがあれば手術が可能である。TURisシステムに加えてTUEB電極を準備するだけで実施ができ、診療報酬も高いため導入しやすい手術であると考える。
必要な機器は、TURisシステムに加えて、視野方向12度のレゼクトスコープとループ電極・TUEB電極である。

TUEB電極

  • 非通電のスパチュラ部の下方に通電可能なループ電極を併せ持つ機構。剥離操作を行いながら凝固止血が可能。

  • TUEB電極

TUEBの手技手順解説

手技の流れに沿って、解説を行う。QRコードで場面ごとに動画も視聴可能な形式としているため、合わせて参照されたい。

➀マーキング・粘膜切開

  • 腺腫遠位端からマーキングとして、3時・9時・12時方向に粘膜切開を行い、精丘脇から円周状につなげる。この際、括約筋に熱が及ばないようにマーキングを行うのが肝要である。スコープを動かすことで、境目が判別できるため、全周性にマーキングを行う。この際、腺腫の際よりも若干膀胱側にマーキングを置くことで括約筋に対してのマージンを確保する方がその後対応がしやすいと考える。
    マーキング位置にて粘膜を切開するが、出血した場合は適宜止血を行う。TURisシステムの特性上、止血時はしっかり接触し長めに確実に止血する。

  • ➃側葉の剥離

➁12時・5時・7時方向の切開

  • 12時方向の膀胱頸部からマーキングした箇所までを切除する。目的は、1.灌流液の通り道を作ること2.剥離する腺腫の剥離面の指標にすることである。
    手技に慣れるまでは5時・7時方向の切除にも同様に切除を加えることを推奨する。3つのブロックに分けて核出を進めることで腺腫の取り回しが良くなるメリットがある。

  • ➁12時・5時・7時方向の切開

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