第6回:現場の努力を守る備え — 故障が起きても症例を止めない「保守契約」のススメ
前回ご紹介した「院内での故障予防勉強会」などによってスタッフの意識が高まっても、部品の経年劣化や思わぬ事故などにより、一定の故障はどうしても発生します。しかし、万が一に備えてバックアップ体制や支援体制を整えておくことで、予定していた検査が実施できないリスクを低減できます。今回は、そうした備えの一つとしての「保守契約」について、仕組みと検討時のポイントを紹介します。
保守契約で期待される支援概要
保守契約には契約内容に応じてさまざまな支援が含まれることがあり、以下のようなサービスが提供される場合があります(ただし内容はメーカーや事業者、契約条件により異なります。本稿はオリンパスの例を記載します:図1)。
●代替品の手配:
・故障時に代替機器貸出しの優先手配が受けられ、検査の中断や延期のリスクを低くする助けになります。
・契約の有無によって優先度や手配までの時間が変わることがあります。
●修理費用の取り扱い:
・都度払いのほか、修理費用を契約で平準化するプラン(保守料金に修理費用を含む等)を選べる場合があります。
・突発的な高額修理への対応方法や予算化のしやすさは契約形態によって異なります。
●定期点検:
・メーカーや認定技術者による定期点検が契約に含まれることがあります。
・早期の不具合発見が重篤な故障の予防につながる可能性があります。
●データ提供・分析報告:
・修理実績や故障傾向のデータを基にした報告や改善提案を受けられるサービスが提供される場合があります。
・これにより、院内での予防対策を計画的に進めやすくなることがあります。
図1◎内視鏡保守契約のプラン例(オリンパスの場合)
契約の選び方と検討ポイント
保守契約は施設ごとの運用状況や優先事項に応じて適切に選ぶ必要があります。検討時の主な観点は次の通りです。
●症例数とスコープ本数:
・検査数が多い、あるいはスコープ本数に余裕がない施設では、代替機器の手配や迅速な対応の重要度が高くなります。
●コストの見通し:
・修理費用を平準化したいか、都度発注で費用を管理したいかを検討します。長期的な費用見通しと、契約料と実際の修理実績の比較検討が必要です。
●サポート内容の範囲:
・貸出対応、メーカー点検、データ提供の有無など、具体的な支援内容を確認し、自施設のニーズに合致するか確認します。
●契約条件・例外事項:
・免責事項、有償/無償の基準、契約期間など、業務運用に影響する条件を明確にします。
●運用面の効果:
・点検や分析報告が院内の故障削減や業務効率化にどう結びつくかを検討します。効果が見込めるならば、経営層への説明材料になります。
まとめと次の一手
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保守契約は、施設にとっての一つの備えです。施設の症例数、スコープの保有状況、予算や業務体制を踏まえ、導入の是非や最適な契約形態を検討してください。契約内容や適用範囲は事業者によって異なりますので、詳細は各メーカーやサービス提供者の窓口で確認することをおすすめします。
これまで6回にわたってお届けしてきた「一歩進んだ内視鏡のメンテナンス」のシリーズは、いかがだったでしょうか。保守契約を含めた多面的な備えを検討することで、現場の努力を守り、機器の安定稼働と安心・安全な検査環境の実現に少しでも寄与できれば幸いです。【企画・編集 日経メディカル開発】
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