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平田 大善 先生
医療法人薫風会佐野病院
EVIS X1 基本設定情報
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BAI-MAC:ON
WLI:A8/A2/B8
NBI:A8/A1/B8
TXI:mode 1 / レベル 高
NBI+TXI:レベル 高
症例情報
使用スコープ:CF-EZ1500DI
症例所見:Rb, 20mm 0-Is+IIa. JNET type 2B, Pit pattern VI高度不整
観察部位:下部直腸
患者情報:80代女性
既往歴:特記すべき事項なし
症例画像
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白色光観察①(中遠景)
強調設定:A8
白色光観察で、下部直腸に20mm大の境界明瞭で発赤調の隆起性病変を認めた。病変は、丈の高い隆起部と平坦隆起部からなる 0-Is+IIa病変として認識された。周囲粘膜に白斑を伴っており、腺腫~大腸癌が疑われた。
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白色光観察②(近景)
強調設定:A8
反転操作で病変口側からも白色近接観察を行った。平坦隆起部の表面にわずかな陥凹が認識された。
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NBI観察①(中遠景)
強調設定:A8
BAI-MACにより、視野は十分に明るく、病変の全体像を鮮明に確認できた。またEDOFにより、周囲粘膜から平坦部、隆起部までの広範囲に焦点の合った画像が描出された。隆起の頂部には表面構造や血管走行の不整な領域が見られた。
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NBI観察②(近景)
強調設定:B8
反転でのNBI近接観察で、病変は全体的にBrownishに描出されたが、丈の高い隆起の中腹にやや褪色調の領域を認めた。
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NBI観察③(拡大)
強調設定:B8
関心領域周囲では、表面構造・血管走行ともに不整で、Vessel Pattern・Surface PatternともにJNET type 2Bの所見であった。一方、関心領域では、表面構造・血管走行ともに不明瞭であり、JNET type 3も否定できない所見であった。
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NBI+TXI観察①(拡大)
切替前:NBI強調設定:B8
NBI+TXIレベル:高
NBI+TXI観察では、従来のNBIに比べ、表面構造・血管走行ともに強調される。不明瞭な関心領域内に、分岐の異常な表面構造や分布の不均一な血管走行が確認され、JNET type 2B と診断しえた。
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NBI+TXI観察②(近景)
切替前:NBI強調設定:B8
NBI+TXIレベル:高
平坦隆起部でも、NBI+TXI観察では、血管密度の上昇や分岐異常を伴う領域がより容易に捉えられた。
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色素散布観察(インジゴカルミン色素)
インジゴカルミン色素散布では、病変境界や表面の凹凸が明瞭となった。
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色素染色観察(クリスタルバイオレット)
クリスタルバイオレット染色観察では、隆起の大部分では大小不同の軽度不整なPitが確認され、VI軽度不整と診断した。一方、隆起中腹の関心領域では内腔が狭小化したPitや辺縁不整で輪郭がやや不明瞭なPitがみられ、VI高度不整と診断された。
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病理画像(ルーペ像)
病変の内視鏡診断は早期大腸癌(M~SM1)を疑うも、SM深部浸潤の可能性も否定できず、経肛門内視鏡的筋層切除術(PAEM)にて一括切除した。病理組織学的診断は、Well differentiated tubular adenocarcinoma (tub1), pT1a(SM1), BD1, ly0, v0, HM0, VM0.であった。
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病理画像(弱拡大像)
切除標本(別切片)の弱拡大像:病変は隆起の基部でわずかにSM浸潤をきたしており、SM浸潤距離は130μmであった(矢頭)。
症例動画
症例は80代女性、便潜血検査陽性にて大腸内視鏡検査を施行し、下部直腸に20mm大の0-Is+IIa病変を指摘された。肛門側からの白色光・NBI観察では、丈の高い隆起の頂部に軽度の凹凸不整を認める。なお、BAI-MACとEDOFにより視野は十分に明るく、広範囲に焦点の合った、鮮明な全体像が描出された。続いて、反転でのNBI観察では、平坦隆起部に血管不整や分岐異常を伴う小隆起を認める。これらはNBI+TXIでより鮮明に描出され、JNET Type 2Bの所見であった。一方、丈の高い隆起の中腹には、NBI観察でVessel Pattern(VP)・Surface Pattern(SP)ともに不明瞭な領域を認めた。同部位はJNET Type 3も否定できない所見であったが、NBI+TXIででは、VP・SPともに強調され、分岐の異常な表面構造や分布の不均一な血管走行が確認され、JNET type 2B と診断しえた。CV染色では全体的にVI軽度不整のPit Patternを示すも、関心領域で内腔が狭小化したPitや辺縁不整で輪郭がやや不明瞭なPitがみられ、VI高度不整と診断した。総合的に早期大腸癌、深達度はM~SM1を疑うもSM深部浸潤の可能性も否定できず。経肛門内視鏡的筋層切除術(PAEM)にて一括切除し、病理組織学診断はWell differentiated tubular adenocarcinoma (tub1), pT1a(SM1), BD1, ly0, v0, HM0, VM0.であった。
全体コメント
下部直腸 20㎜大の0-Is+IIa病変。NBI観察では、おおむね JNET Type 2Bの所見であったが、隆起中腹にVessel Pattern(VP)・Surface Pattern(SP)ともに不明瞭で、JNET Type 3 の否定できない領域があった。NBI+TXI観察では分岐の異常な表面構造や分布の不均一な血管走行が描出され、JNET type 2B と診断することができた。
NBI+TXIは血管・表面構造を強調し、VP・SPをより鮮明に描出できる。そのため、NBIで不鮮明な領域を伴う病変、特にJNET Type 3 を否定できない病変の観察では有用と考えられる。なお、NBIの強調設定は大腸ではAモードが一般的だが、NBI+TXIではBモードにすると、より微細な表面構造や血管走行が描出できる。
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