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    医療従事者向けコンテンツ

    NBI+TXI Clinical Library

  • 北里大学医学部 消化器内科学 北原 言 先生
  • 北原 言 先生

    北里大学医学部 消化器内科学

EVIS X1 基本設定情報

  • EVIS X1
  • BAI-MAC:ON
    WLI:A5
    NBI:B8
    TXI:mode 1 / レベル 中
    NBI+TXI:レベル 中

症例情報①

使用スコープ:GIF-XZ1200
症例初見:胃潰瘍、境界明瞭・辺縁整な円形潰瘍を認める
観察部位:体中部小弯
患者情報:77歳男性、HP検査歴なし
既往歴:食道癌


症例画像

dot模様に対するNBIとNBI+TXIの比較

図1

dot模様に対するNBI vs NBI+TXI。
dotの輪郭がよりシャープになり、背景色の緑・白のコントラストが際立っていることが分かる。

胃潰瘍
強調設定:B8

図2

胃潰瘍に対するNBI vs NBI+TXI 弱拡大像である。
病変は境界明瞭・円形・辺縁整で、いずれも良性潰瘍を示唆する所見である。
潰瘍辺縁の再生上皮の微細表面構造は、小型管状で比較的サイズや形状、White Zone(WZ)の幅は揃っている。
NBI+TXIではWZと窩間のコントラストがより明瞭で、微細表面構造の形状を視認しやすい。

図3

背景粘膜の強拡大である。
Light Blue Crest(LBC)を伴う腸上皮化生粘膜である。
NBI+TXIでは、LBCの緑がかった色合いが強調されており、LBCの視認性は向上している。
また、血管と背景の色調差の強調により、微細血管構造の形状も従来より視認しやすくなっている。

症例情報②

使用スコープ:GIF-XZ1200
症例初見:不整形・発赤調の表面隆起性病変を認める
観察部位:前庭部小弯
患者情報:76歳女性、HP除菌後
既往歴:脳梗塞後


症例画像

分化型癌
強調設定:B8

図4

病変後壁側辺縁の中拡大像である。
背景はLBCを伴う腸上皮化生粘膜で、病変内部の微細表面構造は大小不同・形状不均一な絨毛状構造である。
微細血管構造の蛇行・形状不均一も見られる。
NBI+TXIでは不揃いな微細表面構造がより際立って観察される。

図5

病変口側辺縁の弱拡大像である。
背景粘膜と比べて病変は褐色調である。NBI+TXIでは色調がより明瞭に観察される。

図6

病変肛門側辺縁の強拡大像である。
強く蛇行した異型血管が増生している。NBI+TXIでは血管一本一本が色濃く描出されており、形状の変化を捉えやすい。
また、通常のNBIでは中央部のWZの視認性が悪いが、NBI+TXIではWZが視認できる。

症例情報③

使用スコープ:GIF-XZ1200
症例初見:不整形・褪色調の平坦病変を認める
観察部位:前庭部後壁
患者情報:65歳男性、HP未感染
既往歴:特記事項なし


症例画像

未分化型癌
強調設定:B8
NBI+TXIレベル:中

図7

病変の弱拡大像である。
背景粘膜はHP未感染である。NBI+TXIでは、背景粘膜がより濃く描出されており、病変部の褪色調変化が際立つ。

図8

病変肛門側の中拡大像である。
病変内部は小型管状の微細表面構造を呈しているが、背景よりもWZがやや大きく、形状や方向が不揃いである。
弱拡大と同様、背景粘膜と比べて病変内部がより白く認識できる。

図9

病変中央の強拡大像である。
結節は前医による生検後の隆起で、過形成による血管増生をみる。
微細血管構造は背景粘膜と比べても差異は目立たないが、褪色調部分では微細表面構造の大小不同・形状不均一がみられる。

図10

酢酸散布後、弱拡大像である。
病変部は不揃いな腺管構造となっており、酢酸で膨化した表面構造がNBI+TXIではより鮮明に描出されている。


症例動画

 症例①は胃潰瘍に対してNBIとNBI+TXIで観察した症例である。
観察前にdot模様をNBIとNBI+TXIで比較している。 緑の色調・dot模様がよりシャープに描出される。
体中部前壁に良性潰瘍を認め、よく周囲を水洗した後に背景粘膜の拡大観察・潰瘍辺縁の拡大観察を行っている。


 症例②は前庭部小弯後壁の分化型早期胃癌である。H.pylori除菌歴があり、定期的に施行されていた内視鏡で指摘された。
可能な限り粘液を除去し、弱~中拡大によるDemarcation Lineの有無・微細表面構造の評価、中~強拡大による微細血管構造の評価を進める。
NBI+TXIでは特にWZの視認性が向上していることが分かる。


 症例③は前庭部後壁の未分化型早期胃癌である。H.pyloriは未感染。心窩部不快感で内視鏡検査を施行され、偶発的に指摘された。
白色光で褪色調領域を認識できるが、NBI+TXIも正常粘膜との色調差が際立っており従来よりも範囲を視認しやすくなっている。
背景と比べ僅かながら微細表面構造は不整がみられる。


全体コメント

 EVIS X1とGIF-XZ1200の組み合わせを初めて触った時、画質の良さ・フレームレートの高さ・BAI-MACによる明るさ補正など技術進歩に感動したことを覚えています。そこから5年が経過し、従来のNBI画像にTXIによるコントラスト補正を加えることが可能となりました。今回症例を三例提示いたしましたが、このコントラスト補正によって、背景粘膜と病変の色調差や特に微細表面構造の視認性の向上に寄与しているように感じられます。
 元来、オリンパスの内視鏡画像には構造強調の設定が可能で、部分的かつ特定のコントラストが強調表示されるようになっています。Aモードでは胃小区などの少し大きめの模様が強調され、Bモードではより細かな模様や血管を強調されることが知られており、術者の好みや状況で使用されています。今回のNBI+TXIでは血管・粘膜模様を構成するテクスチャ部分を抽出して強調することで、従来の構造強調にさらにメリハリを効かせたシャープな画像を得ることができます。明るさについても補正がされており、普段BAI-MACをoffで使用されている先生にとっては、明るさの部分で新鮮味を感じられるかもしれません。
NBI+TXIで明暗や色調差をより際立たせた画像を提供できることで、結果として従来では範囲診断に苦慮した場面や質的診断で悩む場面での一助になってくれることが期待されます。

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