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富田 英臣 先生
国立大学法人愛媛大学医学部附属病院
EVIS X1 基本設定情報
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BAI-MAC:ON
WLI:A5
NBI:B8
TXI:ー
NBI+TXI:レベル 高
症例情報①
使用スコープ:GIF-XZ1200
症例所見:左梨状窩、0-IIb、15mm、JES type B1、AVA-small、cT1
観察部位:下咽頭(左梨状窩)
患者情報:76歳男性
既往歴:歯肉癌
症例画像
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<下咽頭> 白色光観察① (近景)
強調設定:A5
白色光非拡大観察。下咽頭左側壁から左梨状窩に平坦発赤病変が認められる。血管透見の消失、色調(発赤)から病変認識は可能だが、範囲診断はやや判断に迷う。とくに梨状窩では食道までの進展があるかどうかが不明瞭。
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NBI観察① (非拡大)
強調設定:B8
NBI非拡大観察。WLIでの発赤した領域はbrownishareaとなり、より境界は明瞭となる。ドット状の血管が認められる。
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NBI+TXI観察① (非拡大)
切替前 NBI強調設定:B8
NBI+TXIレベル:高
NBI+TXI非拡大観察。Backgroundcolorationはより明瞭となり、NBI単独よりも病変範囲は明瞭となる。ドット状の血管が存在する領域も明瞭となる。
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NBI観察② (拡大)
強調設定:B8
NBI拡大観察。周囲と比べて、血管の拡張、蛇行、口径不同、形状不均一がみとめられ、日本食道学会分類(JES)typeB1と診断できる。ややピントがあっていないが、肛門側にはAVA-smallの初見が認められる。上皮内病変と診断できる。
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NBI+TXI観察② (拡大)
切替前 NBI強調設定:B8
NBI+TXIレベル:高
NBI+TXI拡大観察。血管の拡張が認められる範囲は広範囲でピントが合っている。IPCLの不整はNBI単独よりもより明瞭となり、腫瘍・非腫瘍の境界もよりわかりやすい。また、IPCLが深部の血管から表層に向かって伸びている立体的構造がより明瞭に観察される。TXI付加時は、中よりも高でより血管が強調され、有用性が高い。
症例情報②
使用スコープ:GIF-XZ1200
症例所見:Ut-Mt、0-IIb、70mm、JES type B1、AVA-small、cT1a(LPM)
観察部位:胸部上部食道(Ut)ー胸部中部食道(Ut)
患者情報:76歳男性
既往歴:歯肉癌
症例画像
<食道> 白色光観察①
強調設定:A5
白色光非拡大観察。胸部上部食道から胸部中部食道にかけて、全周性の平坦発赤病変が認められる。中央の隆起は前医での生検瘢痕。その他には凹凸はみとめられず、粘膜下層浸潤を積極的に疑う所見はない。色調の変化から存在診断は可能だが、範囲診断はやや判断がむずかしい。
白色光観察② (ヨード)
強調設定:A5
ヨード染色下での白色光非拡大観察。ヨード染色により腫瘍はヨード不染粘膜として認識される。一部は全周性となり、pinkcolorsign陽性となる。病変範囲はヨード染色により明瞭となる。
NBI観察① (非拡大)
強調設定:B8
NBI非拡大観察。WLIでの発赤粘膜はbrownishareaとなり、より境界は明瞭となる。病変の存在診断はWLIよりもNBIでしやすい。
NBI+TXI観察① (非拡大)
切替前 NBI強調設定:B8
NBI+TXIレベル:高
NBI+TXI非拡大観察。Backgroundcolorationはより明瞭となり、NBI単独よりも病変範囲は明瞭となる。ドット状の血管が存在する領域もTXIの付加により明瞭となる。
NBI観察② (拡大)
強調設定:B8
NBI拡大観察。病変中央(5.1)と辺縁部(5.2)。血管の拡張、蛇行、口径不同、形状不均一がみとめられ、ループ形成が保たれており、JEStypeB1と診断できる。粘膜表面の角化を軽度伴っており、一部血管が視認しにくい領域がある。
NBI+TXI観察② (拡大)
切替前 NBI強調設定:B8
NBI+TXIレベル:高
NBI+TXI拡大観察。IPCLの不整はより明瞭となり、明瞭なJEStypeB1の血管が認められる。血管密度も高く、NBI拡大観察では表面角化によりやや不明瞭であった部位にも、TXIを付加することにより、異形血管の増生が認められる。
症例動画
症例は76歳男性。歯肉癌を指摘され、重複腫瘍の検索のため上部消化管内視鏡検査を実施した。下咽頭および胸部中部食道に腫瘍がみとめられた。
[下咽頭]左梨状陥凹に淡く発赤した0-IIb病変を認める。非拡大NBIではより境界が明瞭となるが、NBI+TXIによりBackgroundcolorationがさらに明瞭となり病変範囲が認識しやすい。NBI拡大観察ではJEStypeB1血管が認められ、NBI+TXI、とくにTXIレベル高ではエッジが強調されより認識しやすい。上皮内にどとまる扁平上皮癌と診断した。
[食道]胸部中部食道に全周性の0-IIb病変を認める。非拡大NBIでは病変の領域性が認識しやすいが、NBI+TXI(高)では、IPCLのドット状の拡張が強調され、癌・非癌の領域性がより明瞭となる。拡大観察でも、NBI+TXI(高)により、AVA-small、JEStypeB1の血管のエッジが強調され、よりクリアに、奥行きを持って描出される。ヨード染色では全周性に不染帯となり、その領域はNBIで認識される範囲と同一であった。深達度LPMの表在型食道癌と診断した。
全体コメント
左下咽頭梨状陥凹の0-IIb型上皮内癌、および胸部中部食道の全周性0-IIb型表在型食道癌の症例である。下咽頭観察ではNBIによる観察が病変の拾い上げに有効であるが、NBI単独よりもNBI+TXI、とくに高レベルでの観察により、ドット状の血管拡張を認識しやすく、境界の認識もしやすくなる。食道では、NBI+TXIによりIPCLの拡張が強調され、血管の形態評価はより正確性が高まる。さらには、NBIに比べて、NBI+TXIはその血管に奥行きが感じられ、深部の血管まで描出が可能となる。食道癌では表面の角化により血管が視認しにくい場合があるが、NBI+TXIによりその領域においても診断の上昇に寄与できる可能性がある。 血管構造を重視する食道癌診断においては、NBI+TXIレベルは高がよい印象である。
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