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IR観察システムを用いたICG蛍光イメージングの基本と肝胆膵手術への応用
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大阪公立大学 石沢 武彰 先生
肝胆膵外科領域における、VISERA ELITE ⅢのIR蛍光イメージングを用いた有用性と各術式の解説を合わせたクリニカルレポートです。
はじめに
近年、術中蛍光イメージングで臓器血流を評価し、解剖構造や癌組織を描出することで確実性の向上を目指す手術(蛍光ガイド手術)が発展している。肝胆膵手術では、ICGの近赤外蛍光特性と胆汁排泄性を利用して、術中IR観察により胆管解剖や肝腫瘍の局在、肝区域の境界をリアルタイムに描出することができる。
※ 医薬品医療機器等法の適応外使用を含みます
Ⅰ肝胆膵手術でICG蛍光イメージングを活用するための基礎知識
1ICG の特性
蛋白と結合したindocyanine green(ICG)に760 nm前後の励起光を照射すると、830 nm周辺にピークをもつ蛍光を発する。この帯域はヘモグロビンや水による吸収を受けにくいため、適切なフィルターを装着した近赤外観察装置で撮影することにより、5~10mm厚の結合組織の奥にある対象物を描出することができる。肝胆膵手術は、ICGが静注後に肝細胞に取り込まれ胆汁排泄される特性も活用できる点で、術中蛍光イメージングと親和性が良いと言える。
2ICG蛍光イメージング開発の歴史
ICGを用いた蛍光イメージングは、もともと眼科診療において眼底血管造影に臨床応用されていたが、今世紀に入り冠動脈バイパス術の血流評価や乳癌センチネルリンパ節生検などの目的で一気に手術室への導入が進んだ。肝胆膵外科領域では、2008 年に報告された肝区域同定法が端緒となり、ICG蛍光イメージングが胆道造影や肝腫瘍の描出など幅広い用途に応用されるようになった。これらの技術が発展を遂げた背景に、腹腔鏡手術でIR観察を可能にするカメラシステムの普及と高画質化があることは間違いない。
3IR+4K+3D手術用内視鏡システムVISERA ELITE Ⅲの特徴
VISERA ELITE Ⅲは4K画質によるIR観察を実現し、さらに3Dにも対応する待望のイメージングシステムであり、2022年に上市された。蛍光イメージングに関しては、VISERA ELITE Ⅱで採用されていたモノクロ画像(MODE 1)と2階調カラーへの重畳画像(MODE 2)だけでなく、4Kフルカラーに蛍光画像を重畳するモード(MODE 3)が追加装備され、使用シーンに合わせてカメラヘッドの操作で簡単に切り替えることができる。蛍光強度は各モードで3段階に調節可能である。IR観察と直接は関係しないが、多機能にも関わらずカメラヘッドが軽いこと、被写界深度の拡大と持続的なオートフォーカス機能により、4Kの欠点である頻回のピント調整が不要になった点も見逃せない。
■ IR 観察の原理
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