医療従事者コンテンツ
適切な大腸ポリープ摘除を目指して Cold Snare Polypectomyの実際と今後の期待 ~Snare Master Plusの使用経験~
はじめに
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慶応義塾大学病院 矢作 直久 先生 / 大阪国際がんセンター消化管内科 竹内 洋司 先生
SnareMasterPlusを用いた症例経験を含め、大腸ポリープに対する治療戦略についてご執筆いただきました。
コールドポリペクトミーの安全性の検討
大腸ポリープに対するコールドスネアポリペクトミー(以下、コールドポリペクトミー)は、抗血栓療法中でも通常のポリペクトミーより後出血の発現が有意に低いことが報告されており、本邦でも低侵襲な治療法として広まってきています。当院で、抗凝固薬を服用していない348例において10mm未満の大腸ポリープ1288病変を対象にコールドポリペクトミーを施行したところ、施行後翌日までの後出血の発現割合は0.3%(4/1288病変)でした。いずれも滲出性出血であり、待機することで自然に止血する傾向がみられているため、コールドポリペクトミーは後出血の少ない安全な手技と考えられます。
また、10mm未満の大腸ポリープを対象に、コールドポリペクトミーと通常のポリペクトミーで完全摘除割合を比較する国内多施設共同のRCT(CRESCENT study)において、コールドポリペクトミーは完全摘除割合を低下させないことが証明されました(98% vs 97%)。
コールドポリペクトミーは通常のポリペクトミーに劣らない完全摘除割合を達成でき、かつ後出血のリスクはより低いため、大腸ポリープ摘除の標準的治療の1つになり得ると考えています。
コールドポリペクトミーの課題と新型スネア SnareMaster Plusのもたらす多面的なメリット
Ⅰ.良好な切れ味を実現
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コールドポリペクトミーにおいては、小さなポリープに対しても遺残を確実に避けるため、マージンを取って大きめに切除するように心掛けています。しかし、ポリープ周囲の正常粘膜を含んだ摘除に時間がかかる症例や、摘除が不可能で通電が必要になる症例を経験することがあり、コールドポリペクトミーではスネアの性能が重要であることをしばしば実感します。
オリンパス株式会社の新型スネア SnareMaster Plus(図1)は、従来のスネアよりワイヤーが細くなり粘膜との接触面が小さくなった分、絞扼した際に圧がかかりやすくなっています。そのため、コールドポリペクトミーにおいて従来のスネアより良好な切れ味が実現されています。
SnareMaster Plusを用いたコールドポリペクトミーでは、ほとんど抵抗を感じることなくスムーズに病変を摘除できました(図2a)。また切れ味が良くても出血量はこれまでのスネアと変わりがなく、特に止血処置を要せず自然に止血が得られました。肝彎曲に存在した病変の摘除時に、正常粘膜のマージンを広くとってしまい、摘除困難となるかなと思った場合でも(図2b)、SnareMaster Plusではほぼ抵抗なく広い範囲を摘除でき、粘膜欠損部の辺縁も非常にシャープな形状となっています(図2c)。 -
図1 新型スネア SnareMaster Plusのラインアップ。小型ポリープを主な対象とするループ径10mm、15mmの2種類のハイブリッドスネア
図2 SnareMaster Plusによるコールドポリペクトミーでの切れ味
- (a)4mm大の0-IIaポリープ摘除における良好な切れ味
- (b)肝彎曲の病変摘除時に広く粘膜のマージンをとった場合も、良好な切れ味を発揮
- (c)粘膜欠損部の辺縁はシャープで切れ味の良さを示している
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