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大腸がん対策と内視鏡AI診断(EndoBRAIN-EYE) =迫ってきたAIとの共存=
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地方独立行政法人東京都立病院機構東京都立がん検診センター 入口 陽介 先生
病変検出をサポートするEndoBRAIN-EYEの使用経験をご執筆いただきました。
大腸内視鏡検査での見逃しを解決する方法として、AIの併用による精度向上への期待について臨床現場での活用例を病変を検出した画像も踏まえて詳細にご紹介いただいております。
はじめに
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我が国は、超高齢化社会を迎え、1年間のがん罹患数は約100万人、死亡数は約37万人となり、2人に1人は生涯で何らかのがんに罹患し、3人に1人はがんで死亡すると言われ、世界のなかでも有数のがん大国となった。臓器別にみると、食生活などの生活習慣の変化から、大腸がんの罹患数は15万人と最多で、死亡数も5万人を超えて2位となっている。大腸がんは、食道がんや胃がんなどの上部消化管のがんや肺がんなどと比較すると男女比が少なく、女性の部位別がん死亡数の1位となっており、大腸がんと診断された3人に1人が亡くなっているということになる。食生活の欧米化と言われ、我が国の大腸がん死亡数は増加し、人口が約3倍の米国とほぼ同数となった(Fig.1)。欧米では大腸がんへの対策が有効性を発揮し死亡数は減少に転じている。
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Fig.1 大腸がん年齢調整死亡率の推移(日本対米国)
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しかし、大腸がんは、早期癌であれば90%以上の予後(5年生存率)であり、進行癌であっても肺や肝臓などへの遠隔転移がない StageIIIa までであれば80%と他臓器のがんに比較して予後良好である(Fig.2)。手術となって腸切除術を受けても激ヤセすることもなく、普通に食事を摂取できるため術後QOLも高い。また大腸がん検診としての便潜血検査2日法は、被爆や痛みもなく排泄物をとるだけであるにも関わらず、有効性評価で死亡率減少効果が確実に認められる唯一Aランクである。さらに、大腸がんをはじめとする内視鏡診断学や内視鏡治療の開発では我が国が世界をリードしている。したがって、我が国ではがん検診から手術・化学療法までの大腸がん診療体制は十分に整っている。生活習慣の変化で罹患数が増加するのは致し方ないが、欧米に比較して死亡数が多いことは残念である。
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Fig.2 累積5年生存率
その原因は、がん検診の受診率が低迷していることに尽きる。著名人が大腸がんで亡くなったいう報道を耳にするたびに、便潜血検査による大腸がん検診や大腸内視鏡検査は受けていたことのかなと考えてしまい、がん検診を専門にしているものとして残念な気持ちになってしまう。
大腸がん検診
大腸がん検診は、対策型がん検診(対象集団の死亡率減少効果)に最も合う検診であると考えるが、便潜血検査を受けるだけでは、がん検診の効果を発揮することはできないので、精密検査とセットで考えていく必要がある。我が国は、大腸がん検診(便潜血検査)の受診率も低率だが、さらに陽性となった場合の精検受診率が、60%と相変わらず低率で、ずっと課題になったままである。これまでの指摘どおりに、大腸がん検診、便潜血2日法の受診率を上げること、そして精密検査としての大腸内視鏡検査、あるいは内視鏡検査が難しい場合には大腸CT検査へ導いていくことが重要である。がん検診に携わる自治体、医師会、精密検査機関、治療機関の連携を強化して、北欧型の組織型検診を目指していければと願っている。
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