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    実践!耳鼻咽喉科クリニックの患者満足度向上策

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第1回 待ち時間の不満をなくす小さな工夫アレコレ

本コラムの情報は掲載日時点の内容となります。そのため、最新の情報と異なる場合がございます。
また、本コラム記事はライターによる執筆記事であり、当社見解と異なる場合がございます。


クリニック経営において患者の待ち時間対策は、初診・再診を問わず重要なポイントです 

  • 診療の待ち時間が長いことへの不満は、患者満足度を大きく損なうことになるからです。特に耳鼻咽喉科クリニックは、内科や小児科のクリニックに比べて外来患者数が多いのが特徴です。厚生労働省の医療施設調査によれば、内科や小児科のクリニックの1日当たり外来患者数は30人前後ですが、耳鼻咽喉科クリニックでは平均約46人に上ります。患者数が多いクリニックでは、かぜが流行する冬場には100人を超えることも珍しくありません。それだけに、患者の待ち時間対策には優先的に取り組む必要があるといえるでしょう。

待ち時間の可視化で患者の不満を和らげる

  • クリニックでの待ち時間が長いことに不満を訴える患者は少なくありません。しかし、その声をよく聞いてみると、待たされることそのものよりも、どの程度待てば自分の順番が回ってくるかの見通しが示されないことにフラストレーションを抱いているケースが多いのが実情です。診察時間を短くすれば待ち時間も短縮することになりますが、おのずと限界があります。待ち時間を短縮しようとするあまり、患者の訴えに耳を傾ける時間を必要以上に減らすようでは本末転倒です。まずは診療までにどのくらい待てばいいのかを、患者に分かりやすく伝えることに取り組みましょう。

最も手軽な方法は、受付などに「ただいまの待ち時間:約XX分」といった掲示を出すことです。日ごろの診察の進み具合を参考に、待ち時間の分数を適宜入れ替えるようにします。ただし、病状があらかじめ分かっている患者ばかりではないため、正確な待ち時間を示すのはなかなか難しいことも事実。その場合は「ただいまの診察待ち:X人」のように、人数を表示するとよいでしょう。それだけでも待ち時間の見当がつくため、患者の不満を抑えることができます。


  • 最近は、銀行などで見られる順番待ちの管理システムが、クリニック向けにも提供されています。その中には、診察待ち人数や待ち時間をディスプレイに表示するだけでなく、患者の携帯電話でそれらを見られるようにしたり、順番が近づいたら携帯電話に呼び出しをかけたりできるシステムも登場しています。こうしたシステムを導入すれば、感染症が疑われる患者が駐車場の車内で順番待ちすることなども可能になるので、感染防止につながる利点もあります。比較的安価に導入できる製品も増えているので、検討してみるといいでしょう。

また、明らかに待ちくたびれた様子であったり、頻繁に時計を見上げるなどイライラしている患者には、受付のスタッフが適宜声をかけるようにしたいものです。待合に置かれた雑誌などを整理するついでに「本日は混雑しているため、お待たせして申し訳ございません」などと一言かければ、患者は自分が大切にされていると感じられ、待たされていることへの不満が和らぐことになります。

待ち時間それ自体の短縮にも取り組む

  • これらの取り組みと並行して、待ち時間そのものを減らしていく努力も進めていく必要があります。その面で有効なのが予約制の導入です。あらかじめ予約しておいた時間に合わせて来院すれば、患者の待ち時間は大幅に短縮します。先に挙げた順番待ちの管理システムと連動した製品も出ているので、特に患者数が多いクリニックでは利用価値が高いといえます。

ただし、予約制の導入には注意点もあります。患者は予約した時間通りに診察が受けられると期待するため、来院してから予想外に待たされると、予約制でなかったとき以上に不満を募らせてしまうことになるのです。これを避けるには、20分ないし30分の枠を設けて、枠ごとに人数を決めて予約を取る仕組みを取り入れるといいでしょう。また予約時の画面には、病状によって診療の順番が入れ替わる可能性があることや、他の患者の病状によって診察が予約時間より遅くなり得ることを明示するようにします。


  • 診療についても医師が全てを担うのではなく、タスクシフトが可能な業務を他職種に委譲すれば効率化が進み、待ち時間の短縮につながります。そこでまず検討したいのが、看護師による事前問診です。今やクリニックでも電子カルテが当たり前になりつつあるので、事前に看護師が問診結果を入力しておけば診察はスムーズに進みます。電子カルテと連動したタブレット端末の問診票アプリを利用して、患者が入力した内容を看護師が確認するという手順にすれば、より一層の効率化が可能です。

問診以外にも、検査に関する説明や、検査結果についての定型的な説明などを看護師に任せることも、待ち時間の短縮には効果があります。看護師による丁寧な説明は、それ自体が患者満足度の向上につながりますし、患者が医師には言いづらかった事柄を伝えてくれるようになるなどの副次的なメリットがある点も見逃せません。


  • 電子カルテを利用しているのであれば、医療クラークの活用も考えたいところです。電子カルテの入力や診断書、紹介状の作成などの事務作業をサポートしてくれる医療クラークがいれば、医師は診察に集中できてその分、1人の患者にかける時間を短くできます。診療報酬の「医師事務作業補助体制加算」は病院と有床診療所のみが対象で、残念ながら無床のクリニックでは算定できませんが、それでも患者数が多い施設では医療クラークを導入する例が増えています。一定のコストはかかりますが、患者満足度の向上に向けた投資ととらえ検討してみてはいかがでしょうか。

ICTや他職種へのタスクシフトの活用を

待ち時間に不満を訴える患者は多く、その短縮の必要性を感じているクリニックの院長は少なくありません。ただ、待ち時間の短縮が難問であることも、また事実です。診察の本体部分に悪影響を及ぼさない形でDX(デジタルトランスフォーメーション)や他職種へのタスクシフトによる効率化を進め、1人の患者に医師がかける時間を着実に短くする。そして、やむを得ない待ち時間を苦痛に感じさせないよう、ICT(情報通信技術)も活用しながら工夫を凝らす。診察の待ち時間を短縮し、ひいては患者満足度を向上させるために今、こうした多面的な取り組みを並行して行うことがクリニックには求められています。

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