医療従事者コンテンツ

シースによる胃瘻カテーテル交換の実際

はじめに

  • 国際医療福祉大学病院 鈴木 裕 先生

    シースを用いた、慢性期病院における胃瘻カテーテル交換についてご執筆いただきました。

  •  ここ数年、胃瘻カテーテルの交換ミスによる死亡例が、新聞記事などで多数報告されている。胃瘻カテーテル交換時の偶発症である腹腔内誤留置(図1)によるものである。安全性への対応が急務となり、2008年の診療報酬改定では、交換手技料(200点)と特定保険医療材料費の区分として“ガイドワイヤあり”が新設された。
     2010年の日本病院協会による全国集計では、全国の胃瘻造設者を26万人と推定しており、増加傾向にある。交換ミスの背景には、患者の療養環境の多様さ(急性期・慢性期、施設・在宅)や、カテーテルの先端形状が複数ある(バンパー・バルーン型)ことが考えられ、それらをふまえて対策をとる必要があった。

  • 図1:腹腔内誤留置

2つの対応策で誤留置を防止

 腹腔内誤留置を防止するためには、

① 誤留置を早期発見できる確認方法を確立する
② 誤留置を起こしにくいデバイスを開発する

この2点を成立させる必要がある。①については、間接確認法と直接確認法があり(図2)、療養環境に合わせて施行されている。一方、②については、ガイドワイヤ(以下GW)を用いることで安全性の向上を図ってきたが、GW自体が細く強度が弱いために、長く斜めな瘻孔では瘻孔の方向を確認しづらく、挿入時には屈曲させて挿入するという(図4)誘導上の課題があり、さらなる安全性が求められていた。

  • 図2:カテーテル交換後の確認方法

  • 図3:イディアル交換シース
    シースと補助チューブを組み合わせて使用する

体外と胃内をつなぐイディアル交換シース

  •  従来のデバイスが抱える課題を解決するためには、体外と胃内の交通が確実に維持でき、カテーテル交換の際に、腹腔内に挿入するリスクが最も少なく、胃内に挿入できるデバイスを開発する必要があった。
     今回開発した胃瘻カテーテル交換用のシースは補助チューブ(図3)と組み立てた状態で、GWに沿わせて瘻孔に挿入する。シースは適度な固さがあるため、体内留置することで体外と胃内をつなぐ「安定したトンネル」が形成される。このトンネル内をボタンが通過することで、従来のGWに沿わせた挿入よりも瘻孔に対して無理な力がかかりにくく、スムーズに胃内にカテーテル先端を誘導できると考えている(図4)。

  • 図4:カテーテル交換手技の違い

    • 〈ガイドワイヤ(GW)のみ使用〉

      GWが屈曲してしまいカテーテルの胃内への誘導がしづらくなる

    • 〈GWとシースを併用〉

      シースによって胃内までトンネルが形成されカテーテルを誘導しやすい

会員限定コンテンツ

続きは会員限定コンテンツのため、ログインまたは会員登録が必要です。

ピックアップ製品

ピックアップ製品はこちらから閲覧できます。

ピックアップ製品はこちら

遷移先ページは学術情報を含みます